木造戸建住宅を中心に、特に都心部の狭小地や変形地を最大限に活用した建築設計を得意とされている、一級建築士事務所アーキブラスト(株式会社バレッグス)様。品川区の新築物件に、ミャンマーチークの複合フローリングをご採用いただきました。
こちらのフローリングは、表層に2mm厚の挽板を使用した複合タイプ。複合材(合板)は同寸法の無垢材に比べて季節ごとの伸縮や反り・ねじれといった『動き』が少なく機能的であること、また環境への負荷が少ないことから、近年の主流になっている木材です。2mm厚以上の挽板になると、施工後の風合いも無垢材とほぼ遜色がありません。
とはいえ、(ミャンマー)チークは幅広の無垢材でも床暖房に対応できるほど寸法安定性に優れており、その点では挽板タイプのメリットというのは少なく感じられますが、床暖房への施工に際して熱源パネル上に直接施工できる(複合)/熱源パネル上にもう1枚捨て貼りをする必要がある(無垢)といった違いや、加工精度のばらつきの少なさ(複合)、材の表情が比較的整う(複合)/高樹齢木らしい力強い木目・様々な表情が含まれる(無垢)といった「比べてみるとわかる」違いがあり、複合タイプはミャンマーチークの端正な美しさをより伝えてくれる印象です。
こちらのお住まいは建て替えで、周囲は背の高い建物が取り囲む、近隣商業地域とのこと。周辺の環境を熟知しておられるため、大きな開口部で存分に外光を取り込みつつもプライバシーをしっかりと確保した間取りになっており、立地の条件を感じさせない開放感と居心地の良さが秀逸です。壁面はホワイトで統一し、濃色系のキッチンやワインセラー、ウォルナットの家具などが配置された空間を、明るすぎず暗すぎないチークの床材が上品で落ち着いた雰囲気にまとめています。経年で風合いを深めていく様子もまた愉しい、慣れ親しんだ土地での新たな日々に寄り添ってくれるフローリングです。
設計:
ARCHIBLAST
施工:
株式会社バレッグス